Webotsって何?
Webotsの日本語資料は少ないので,自分の勉強も兼ねて昨年に引き続きWebots講座を連載します.
さて,Webotsとは何でしょう?それは,Webotsはオープンソースでマルチプラットフォームのロボットシミュレータです.Webotsは1996年にスイス連邦工科大学のOliver Michel博士が開発し,1998年にCyberbotics社がライセンスを取得し,2018年からはオープンソース(Apache 2.0ライセンス)になりました.ちなみにROS2のライセンスもApach 2.0ライセンスです.
主な特徴
次のとおり.
- オープンソース:Apache 2.0
- マルチプラットフォーム:Windows, Linux, Mac OS
- 多くのプログラミング言語に対応:C, C++, Python, Java, MATLAB, ROS
- 高速プロトタイピング:多くのロボットモデル,センサ,アクチュエータ,物体,素材がある.3Dモデルフォーマット,URDFをインポート可能であり,ロボットのプロトタイプを高速に作ることができる.
- 定評のある物理エンジン:Open Dynamics Engine (ODE)のフォーク(派生).
- ドキュメントが豊富:チュートリアル,ユーザガイド,リファレンスマニュアル,プログラムサンプルなどが豊富.
インストール
では,シミュレータで遊ぶためにさっそくインストールしましょう!マルチプラットフォームなのでWindows,Linux,MacOSに対応していますが,ここではWindows11にインストールする方法を説明します.
- ダウンロード
- Cyberbotics社のダウンロードサイトからセットアップファイルをダウンロードする.
- ダウンロードしたセットアップファイル(webots-R2023b_setup.exe)をダブルクリックして起動する.
- [Select Destination Location]窓が開く.そのままで良いので[Next >]をクリック.なお、下図はSetup – Webots R2023aになっていますが、R2023bが正しいです。以下、同様です。
- [Select Start Menu Folder]窓になる.デフォルトではスタートメニューフォルダにショートカットを作成してくれる.[Next >]をクリックする.
- [Ready to Install]窓になるので,[Install]をクリックしてインストールを始める.
- [Installing]窓になる.インストールはすぐ終わる.私の環境では2分ぐらいで終わった.
- インストールが終わると[Completing the Webots Setup Wizard]窓になる.[Finish]を押すと,Webotsが起動する.
デモの鑑賞
- インストールして初めて起動するとウェルカムメッセージの[Welcome to Webots R2023b]窓が開く.後で設定を変更できるので、このまま一番下の[Start Webots with the selected theme]をクリックする.
- [Thank you for using Webots R2023b]窓が開く.以前のバージョンのユーザに関する注意書き.新規ユーザは関係ないので、[Close]をクリックする.
- [Guided Tour]窓が開く.ここでWebotsを紹介してくれる。[Next]をクリックすると69もあるデモが切り替わる.
- トップバッターはmoose_demo (1/69).不整地でのロボット走行.
- 次はPR2 (2/68):PR2が机の上の缶とお菓子を掴んで移動する.
- 3番目は,あのSpot君.手を振って挨拶をしてくれます.
- あの産業ロボットも登場 Universal Robot(8/68)
- あの高級SUVも登場 City (9/68)
- この他に,DJI Drone, PR2,Create, Pioneerなど多数のロボットが登場します.
- 十分楽しんだと思うので,次回は、さっそく簡単なプログラムを組んでロボットを動かしましょう!
プロキシの設定
学内などのプロキシ環境下ではWebotsもプロキシ設定をする必要があります.
- メニューから[ツール]→[プリファレンス…]→[Network]タブを選択して,以下の項目を入力したら[OK]をクリックする.
- Hostname: ホスト名.”http://”は入力しないでホスト名だけを入力する.
- Port: ポート番号を入力
ハンズオン
- Webotsのデモをまた鑑賞しましょう.2度目以降はメニューバーの[Help]→[Webots Guided Tour…]から鑑賞できます.
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