つくばチャレンジ2010: 準天頂衛星は使えるか?

今年のつくばチャレンジのコースはゴールが建物の中なのでGPSだけでは完走できません.とはいっても,GPSは緯度,経度の絶対位置がわかるので自己位置推定には大きな威力を発揮します.9月11日に準天頂衛星みちびきが打ち上げられる予定です.これは,カーナビの精度を現在の10倍に向上させるといわれているものです.しかも,他のGPS衛星の情報も得ることができるので,この衛星1個だけ観測できればサブメータの精度で自己位置推定が可能になる夢のような衛星なのです.

さて,この衛星を11月19日に本走行のつくばチャレンジ2010で使えるのでしょうか?

残念ながら,つくばチャレンジ2010には使えません.

打ち上げが成功しても,調整などで数カ月は関係者以外使えず,その後,実証実験が始まります.実証実験も事前に申請し許可を得た人しか使えないのです.さらに,事業仕分けのあおりを受けて,本来の機能を発揮できず情報を配信できる地域が限られているそうです.

そもそも,準天頂衛星が1年中を通じて観測できるためには,衛星が合計3機必要です.みちびきの実証試験が成功すると、つぎの衛星の予算を申請しそれが認めれると2号機,3号機が打ち上げられることになります.つまり,本格運用まであと早くても数年程度かかるのではないでしょうか.

準天頂衛星が成功すると日本のほとんどの場所でサブメートルの精度で自分の位置がわかることになります.これはまだ世界に存在していないので,どのようなビジネスがこれから産まれるか予想できません.これからの日本を考えると,このような社会を世界に先駆けて実現し,ビジネスモデルを作り,それを世界に売り込むことが必要だと思います.

管さん,小沢さん,どちらが次期首相になるにしても,世界をリードする新しい日本を作るための投資には力を入れてもらいたいと思います.

でむ

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