RoboCup2009: 大会結果と今後の課題


RoboCup2009 Graz 会場

RoboCup2009 Graz 会場

オーストリアから帰国しました.今回の大会は成績が悪かったのですが,自分達が世界のトップと比較して何が足りないかが実感できたのでとても有意義でした.今回の知見を来年につなげたいと思います.

RoboCup2009サッカー実機リーグの結果をまとめます.中型ロボットリーグ以外はまずまずの結果だと思います.

  • サッカー小型リーグ
    1. Skuba (タイ)
    2. Robo Dragons(日本)
    3. PlasmaZ(タイ)
  • サッカー中型リーグ
    1. RFC Stuttgart (ドイツ)
    2. Tech United Eindhoven (オランダ)
    3. CAMBADA (ポルトガル)
  • サッカーヒューマノイドリーグ(キッズ)
    1. Darmstadt Dribblers (ドイツ)
    2. Fumanoid (ドイツ)
    3. CIT Brains (日本)
  • サッカーヒューマノイドリーグ(ティーン)
    1. Nimbro (ドイツ)
    2. CIT Brains (日本)
    3. Tsinghua Hephaestus (中国)

中型ロボットリーグの日本勢はHibikino-Musashiチームがベスト6止まりです.中型ロボットリーグはかつて表彰台を独占したこともありましたが,昨年に引き続き今回の結果はさびしいです.中型は相当頑張らないと益々世界との差が広がると実感しました.

日本勢は以下の点で世界のトップチームに負けています.つまり,ハードウェアでは最高速度,加速度,パワー,重量で負けているので相手に先にボールを支配され,1対1では当たり負けして跳ね返され,ロボットが壊されます.ソフトウェアでも自己位置の推定精度,シュートの精度で圧倒的に負けています.シュートの精度に関しては定量的ではありませんが,トップチームは少ないチャンスを確実に決めます.それ以外にも資金面,チーム体制などでも大きく負けています.

もちろん,遅れている点を追いつく必要はありますが,それだけでは海外のトップチームに勝つことはできないでしょう.どのチームもやっていないことに取り組み,新しい技術を開発することが急務だと考えます.ロボカップ中型リーグもレベルが上がり研究開発の対象として魅力的になったと考えます.日本チームは協力してレベルを向上させ,来年は3位以内に入賞できるよう頑張りましょう.

トップチーム 日本勢
自己位置の推定精度 5cm以内 30~50cm
自己方位の推定精度 5度以内
シュートの精度 正確 不正確
最高速度 5m/s 3m/s
ボール最大飛距離
(ループ)
18m 9m
ボール保持装置 能動 受動
重量 25~30kg 20kg
モータ AC 200W x 4 DC90W x 4

でむ

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