7月1日(火)ギャルもビショ濡れ!ベネチアの噴水
朝10時ごろ、ロボカップ会場をメンバー全員で下見に行った。いかにもイタリア人らしい美男美女の担当者二人が対応してくれた。
私が下手な英語で話しかけると、なんと美女の方は日本語で答えてくれた(笑)。先にいって欲しかった。私達のチームが一番初めに会場にきたということだった。今日は会場設定日なので、登録とロボットの設定は明日の朝8時からになるといわれたが、親切に会場を案内してくれた。そのあと、今日一日暇になった。明日からは準備に追われるので、メンバー全員でベネチアを観光することにした。 観光もロボカップの醍醐味の一つだ。ロボカップに参加している学生は若いうちから世界のいろいろなところを見れるのでうらやましい。ロボカップは今までパリ、ストックホルム、メルボルン、シアトル、福岡などで開催されている。 さて、ベネチアまでは列車で約30分、料金は4.8ユーロでとても近い。 ベネチアは水上都市ということで交通は水上バスがメインである。陸地の道路はとても狭く階段もあるので車でとおることは不可能である。有名なゴンドラは今では観光客しか利用しないものになっている。値段も高く1時間60ユーロもするので、水上バスで観光することにした。ベネチアでは美術館を見る時間がなく結局みやげ物屋を見て、レストランでピザを食べワインを飲んだ。 なお、サンタルチア駅前にある、人を探知するセンサがついた間欠式噴水で、ギャルやおやじまでもが童心に帰って遊んでいた。 猛暑のベネチアでは冷たい噴水は心地よい。しかし、これで息子はパンツまでビショ濡れになってしまった。 |
7月2日(水)ロボットセットアップ1日目 組み合わせ決まる
前日、朝8時から登録とロボット設定が可能と聞いたが、30分ほど待たされた。そのうえ、受付の事務処理が遅く、登録が終了するまで30分もかかってしまった。さらに、コートの清掃が終わっていなかったので、12時からしかコートを利用できないとのこと。
WinKITは弱かった数年前までは準備がとても遅かったが、昨年ぐらいから速くなり、今年は2番目にはロボットをコートに入れ、一番早くロボットの動作実験並びに設定を行った。確実に強いチームの行動である。 午後8時に組み合わせ抽選会があり、我々はBリーグに割り当てられた。BチームはFilips, WinKIT, Muwallabies, Fusion, MinHO, Persiaの6チーム、第2次予選に進めるのはこのうち4チームである。順調にいけば2次予選には進めると思うが、何がおきるかわからないのが試合である。特に、うちのチームは予備機がないので故障が発生したら勝つことは難しいだろ。どうなることやら。 |
7月3日(木)セットアップ2日目 OBもライバル?
朝8時には会場入りできたが、コートに照明がつき実際に使えるようになったのは9時すぎだった。今日からは各コート1時間毎にチームが割り当てられているためコートを使用できるのは1日3回、計3時間程度だった。
私は数年前まではロボットを担当し、実際自分でロボットを作り、プログラムを書いていた。しかし夢考房の学生が成長したので、昨年から裏方(写真係、ビデオ係、通訳等)と審判に回り、ロボットは学生のみで開発している。 大会準備の方は、各チーム色々トラブルがあるなかいたって順調で怖いぐらいだ。他のチームでトラブルがあったのは主に無線LAN関係が多かった。大会側が用意したアクセスポイントが繋がらないというのである。さらに、最悪なことに、大会運営側が無線の準備を周到にしておらず、レスキューリーグが映像データを2.4GHz帯で飛ばすということだ。 この情報は夢考房ロボカッププロジェクトの発起人のI君から会って聞いた。彼はロボカップが縁で日本SGIに就職し、今回は何とレスキューリーグに参加しているという。OBとこういうところで再開できるのはとてもうれしい。卒業生がロボット関係の企業に就職しこのようなロボカップ会場でOB会をやりたいものだ。 |
7月4日(金)セットアップ3日目 準備は順調
今大会へは三脚を持って行かなかったのでホテルの近くのカメラ屋で三脚を50ユーロで購入した。重さが1.07kg、高さ148cmと軽量でデザイン的にもカッコいい。さすがイタリアだ。
私は現在MITの客員研究員としてボストンに滞在している。家の近くのBestBuy(アメリカのヨドバシカメラ)で20ドルの安物を買わなくて良かった。何故、アメリカはデザインにこだわらないのだろうか。セサミストリートやバーニー&フレンズなど、幼児番組に登場するキャラクターがどぎつい色使い(紫と緑、赤と黄色の組合わせなど)で、そのセンスの悪さには閉口する。 さて、準備もいたって順調で明日からの試合が楽しみだ。数年前までは徹夜徹夜の連続だったのが嘘のようである。夢考房ロボカッププロジェクトも4年間地道な活動を続けて成熟したためだと思われる。 |
7月5日(土)第1次予選 ヨーロッパ王者 VS ジャパン王者
予選1次予選では4コート、各コート6チームの総当たり戦で上位4チームが第2次予選へ進出できる。金沢工大は第2コート、Fusion(九州大、福岡大)、Minho(ポルトガル)、Persia(イラン), Mu-Warrabies(オーストラリア), Phillips(オランダ)の6チームと対戦する。このコートは強豪ぞろいである。特にPhillipsは昨年と今年のGerman Openで2連覇を遂げておりヨーロッパチャンピオンである。
なお、Phillipsは日本ではコーヒーメーカーや髭剃りで有名だが、実はヨーロッパ最大の家電メーカで技術力も高い。このチームは仕事としてロボカップに取り組んでいるのではなく、仕事後や余暇に ロボカップに取り組んでいる会社のクラブ的な存在である。ただし、メンバーはフィリップスのエンジニア、予算は豊富で会社の設備は使えるので、このチームのロボット1台の値段は計り知れない。 優勝候補の筆頭である。 第1試合 WinKIT VS Phillips 第2試合 WinKIT 1 VS 4 Persia ハードウェアの性能の良さが売りの我々のチームは、このようなチームが増えてくると今後勝つことは難しくなってくるだろう。試合は1対4で我々の完敗だった。特に相手はゴール前1列でディフェンスラインを作るためこれを崩せず、反対に速攻をくらってしまった。決勝トーナメントで再度対戦するので、対策を講じなければならない。 結局、今日は1勝1敗で、決勝へ進めるかは明日しだい。学生も初めての海外の試合でかなり緊張していた。イラン戦の敗戦は大ショックだったようだ。 |
7月6日(日)第1次予選 おちゃめな人間型ロボット?転倒
第3試合 WinKIT 7 VS 1 Minho(ポルトガル) 第4試合 WinKIT 0 VS 1 Fusion(九州大学、福岡大学) 第 5試合 WinKIT 12 VS 0 Warrabies(オーストラリア) チーム名もミュー、ワラビーとオーストラリアで有名な動物たちである。このようなチームが参加すると会場は盛り上がるが今年は一般の観客が少ないため残念である。日本で開催したら子供たちに大人気だったろうに… ロボカップの知名度を上げるためには一般の人が面白いと感じてもらわなければならない。そのためには、このようなチームは不可欠である。 今日は3試合があり、第1次予選は2勝1敗でなんとか予選を3位通過できた。第1次予選で2敗もしたのでメインプログラマーM君に火がついて徹夜でプログラムを改良して明日からの第2次予選に望んだ。 |
7月7日(月)第2次予選 順調に1位通過
2次予選は16チームを4つのグループに分け、グループ毎に総当り戦を行い、上位2チームが明日から開催される決勝トーナメントに進出できる。 第1次予選のグループは強豪ぞろいだったが、第2次予選はそれほどでもなさそうだ。2日間も審判をやると各チームの力量がわかる。故障しなければ勝てそうだ。 第1試合 WinKIT 7 VS 0 Artisti Veneti (イタリア) 試合の内容はArtistiのロボットが故障のためか動きが悪く、我々の一方的な試合になった。これまで多くのチームはすでに5試合戦っている。そろそろ丈夫でないロボットは故障がでてくる。フィジカルに強いロボットを作れることも強いチームの条件だ。 第2試合 WinKIT 7 VS 0 Fu Fighters (ドイツ) 試合では確かにFu Fightersのロボットの方が我々より前後方向では速かったかもしれないが、総合的には我々の方が運動性能が高く、マシントラブルもなかったので問題なく勝つことができた。さらに、このチームのロボットは中型リーグで戦うためには小さく、パワーも貧弱のような気がする。 第3試合 WinKIT 3 VS 1 5dpo (ポルトガル) 第2次ラウンドロビンの結果は以下のとおりである。この第2次ラウンドはグループ分けの運も良かったためか3戦全勝で決勝リーグへ進出できた。この日は学生たちも比較的余裕があったようである。 |
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