かつさんのご質問を受けて約1ヶ月ぶりにODE(Open Dynamics Engine)講座を開講します.Robomec2008ではdemura.netの読者から,リップサービスだと思いますが「楽しみにしているよ」と声をかけて頂き,それを真に受けて遣り甲斐が出てきました.学会などで見かけたら気軽に声をかけてください.
さて,ODEのシミュレーションは速すぎるのでちょっと待ってと一時停止や1ステップ実行したい場合が多いですよね.ODE本P41~42にシミュレーションの一時停止と1ステップ実行の方法を簡潔に記載しましたが,わかりづらいようなのでここで補足します.
ODE付属の3Dライブラリdrawstuffでは,以下のようにキーコマンドが実装されています.
- テクスチャのON/OFF : Ctrl + t
- 影のON/OFF: Ctrl + s
- 強制終了: Ctrl + x
- 一時停止のON/OFF: Ctrl + p
- 1ステップ実行: Ctrl + o (アルファベットのオー)
ここで,Ctrl + t はコントロールキーとtキーを同時に押すという意味です.
なお,一時停止と1ステップ実行を実行するためには,停止したい部分を以下のようにif文で囲む必要があります.simLoopの引数pauseは一時停止に関するフラグで,初期値は0で,Ctrl + tを押すたびに1と0に反転します.下のコードではCtrl+tを押さない限りシミュレーションは進行します.シミュレーションの初期状態で停止したい場合は if (pause) { にしてください.
なお,一時停止したい場合はCtrl+ oを押すたびに1ステップ実行しますので,シミュレーションではとても重宝すると思いますよ.お試しあれ!
[cpp] // 引数pauseは一時停止のフラグ,初期値は0 static void simLoop(int pause) { if (!pause) { // ! は否定です.つまり,1なら0, 0なら1です. // やりたい処理をここに書く dSpaceCollide(space, 0, &nearCallback); dWorldStep(world, 0.01); dJointGroupEmpty(contactgroup); } // 描画に関するコードをここに書く } [/cpp]
コメント
かつさん,
気軽に声をかけてください.
さて,描画ライブラリdrawstuffの中で処理が書かれています.Windows, OS X, Linuxでそれぞれ別の処理になっています.Linuxでいえば,~src/ode-0.9/drawstuff/src/x11.cppのhandleEvent関数の中にキー入力の処理が書かれています.
Linux(Fedora8)とWindows XP,Vistaで試しましたが,LinuxではCtrl+Xで問題なく強制終了します.Windowsの場合は,一度FileやSimulationなどのメニューをクリックした後ならCtrl+Xで終了しました.私はWindowsプログラマーではないので良くわかりませんが,実装が悪いと思われます.
以下のページの「3. X (閉じる)を押したらちゃんと終了するようにする」を参考にしてください.
http://hwm7.gyao.ne.jp/shinpuku/column03.html
でむ
名前が挙がっているので書き込みします.私もRobomec行っていたのでお声をかければ良かったです.ただ私の場合,金曜日で帰ってしまいましたが.
一時停止の件,本に書かれている部分よりももう少し先まで読めば,何故かが理解できました.お手数をおかけしました.
ところで,Ctrl+pを押すたびに一時停止のフラグがON/OFFされるというのは,ライブラリの中にCtrl+pの入力を読み込んで,フラグをON/OFFするという処理がすでに書かれているということでよろしいのでしょうか.
ちなみに相変わらず強制終了だけは出来ないのですが,なぜでしょうか.プログラムは8-1の4脚ロボットのシミュレーションで確認しています.