つくばチャレンジ2008が終わりました.結果はおまけの写真です.
完走できたのはヤマハ発動機チームだけでした.前回完走した筑波大学チーム,金沢工大チームも完走できず残念な結果となりました.金沢工大チームは折り返しのコーンに接触はしましたが回れず,折り返し経路を戻り途中でコースの中央を走っていることで橋の中ほどで止められました.
今回のつくばチャレンジに参加して感じたことは,精度の良いGPSを使わなければいけないということです.予選を通過したほとんどのチームはHemisphereの製品を使っていて,精度の良いときは自己位置の誤差が30cmほどということでした.20万円程度しますが,これを購入するしかないでしょう.一方,私が4,5年前アメリカで100ドル程で購入したDeLorme Earthmate GPSや市販の安いGPSでは2, 3mほど誤差があり,このセンサで4,5mほどの道路をキープレフトで走行することは至難の業です.
ただし,精度の良いGPSでも建物の付近などGPSの精度が悪くなる場所がありますので,デッドレコニングやその他の方法で自己位置の推定精度を補う必要があります.通常はカルマンフィルタやパーティクルフィルタでGPSとデッドレコニングの情報を統合するのですが,完走できなかった金沢工大夢考房チームや金沢高専チームは実装しておらず,一方完走したヤマハ発動機チームは拡張カルマンフィルタを使っているとのことでした.
カルマンフィルタ,パーティクルフィルタはどちらもベイズフィルタの一種です.パーティクルフィルタは正規分布以外のデータを扱え,誘拐ロボット問題に対応可能であり,実装も簡単です.そのため,RoboCupではパーティクルフィルタが主流です.この辺のところを勉強したい方はThrun, Burgard, Fox著,上田さん訳の確率ロボティクス (ROBOT books)がお勧めです.大学院の講義で使用しており,とても良い教科書です.
demura.netチームも来年は信頼性の高い台車と精度の高いGPSでチャレンジに望みたいと考えています.つくばチャレンジは初参加でしたが,ブログ仲間とも会えてとても楽しかったです.
でむ
おまけ
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