学会で東京出張だったので,つくばチャレンジ2009の本番コースが発表されてから初めてのつくば詣でに行き,新しく購入した安価なGPS(U-blox EVK-5H)を評価しました.一周約1kmのコースを5周回もしたのですっかり足が棒になりました.不摂生のつけですね.
さて,今回実験に使用した安価なGPS(以下,プアマンズpoor man’s GPS)は感度が良く,上空に木が生い茂っていても,アンテナの上に傘をさしてもなんのその,常にFIXし自己位置が推定されますが,精度は高くありません.正確には測定していませんが,真の自己位置より道幅の半分から最大でその数倍の誤差があります.特に,地図の下側の誤差が大きいです.この付近は遮蔽物の少ないのに何でだろう?他の文献でも知ったのですが,プアマンズGPSは真の自己位置よりオフセットがあるそうです.ただ,オフセットを修正しても場所により自己位置のばらつきがあります.小学校沿いの歩道に数本軌跡があるのは,歩道の両端を通ったためです.それ以外の場所は,同じ経路を歩いたので軌跡が数本場合は,時間により推定位置がずれているということです.木の生い茂っているところと,ゴールである水の広場で誤差が大きくなっています.マルチパスの影響かもしれません.
プアマンズGPSといってもEVK-5Hの場合は,大学を経由して購入すると36750円(オンラインショップだと199ドルですが)なので,おいそれとは色々な機種を購入して実験できません.このブログに刺激を受けた方は計測されたGPSデータを公開されてはいかがでしょうか.つくばチャレンジの良いところは,勝ち負けではないのでお互い協力しやすいところだと考えます.
なお,DARPAのUrban Challengeに出場したチームの多くは誤差10cm程度のGPSを使用したという記事を読んだことがあります.完走を目指すならGPSにお金をかけた方が良いかもしれません.
でむ
おまけ
以下は,つくばチャレンジシンポジウム翌日の2009年1月11日16時ぐらいに取ったデータです.正式なコースが発表になっていなかったので実際のコースとは違います.U-blox 5と同じように地図の下側が大きくコースから外れています.
上の結果はDeLorme Earth Mate GPSのものです.5年前にボストン Best Buyで100ドル程度で購入しました.この結果では小学校沿いの道路に面した歩道も誤差が大きいですね.
Garmin eTrex Venture HC 日本語版の結果です.秋葉原の山本無線で今年の1月に27000円で購入しました.吾妻小学校沿いの道路に面した歩道も誤差が大きいですね.なんと道路にはみ出ています.なお,経路がカクカクしているのは,サンプリングの時間が長かった(autoでやってしまった.30秒くらいか?)ためです.
これらのデータを見る限りではU-blox5が優れています.
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