ブレイクの予感
最近,Webotsというロボットシミュレータを良く耳にしませんか?ロボカップジュニア世界大会がオンライン開催になり,サッカーチャレンジをはじめとする複数のリーグでWebotsを使った競技が開催されます.また,知能ホームロボティクス入門講習会2021でも,Windows版ROS2ではGazeboではなくWebotsが使われました.ブレイクの予感がします.
Webotsの日本語資料は少ないので,自分の勉強も兼ねてWebots講座を連載します.
さて,Webotsとは何でしょう?それは,Webotsはオープンソースでマルチプラットフォームのロボットシミュレータです.Webotsは1996年にスイス連邦工科大学のOliver Michel博士が開発し,1998年にCyberbotics社がライセンスを取得し,2018年からはオープンソース(Apache2ライセンス)になりました.
主な特徴
次のとおりです.
- オープンソース:Apache2
- マルチプラットフォーム:Windows, Linux, Mac OS
- 多くのプログラミング言語に対応:C, C++, Python, Java, MATLAB, ROS
- 高速プロトタイピング:多くのロボットモデル,センサ,アクチュエータ,物体,素材がある.3Dモデルフォーマット,URDFをインポート可能であり,ロボットのプロトタイプを高速に作ることができる.
- 定評のある物理エンジン:Open Dynamics Engine (ODE)のフォーク(派生).
- ドキュメントが豊富:チュートリアル,ユーザガイド,リファレンスマニュアル,プログラムサンプルなどが完備
インストール
では,シミュレータで遊ぶためにさっそくインストールしましょう!マルチプラットフォームなのでWindows,Linux,MacOSに対応していますが,ここではWindows10にインストールする方法を説明します.
- ダウンロード
- Cyberbotics社のダウンロードサイトからセットアップファイルをダウンロードする.ファイルのサイズは1.63GBですが,ダウンロードが終わると2.73GBになります.
- ダウンロードしたセットアップファイル(webots-R2021a_setup.exe)をダブルクリックして起動する.
- [Select Setup Install Mode]ウインドウ(長いので以降,窓と表記)が開くので,お勧めの[Install for me only (recommended)]をクリックする.これを選択するとC:\Users\ユーザ名下にWebotsがインストールされます.
- [Select Destination Location]窓が開く.そのままが良いので[Next >]をクリック.
- [Select Start Menu Folder]窓になる.デフォルトではスタートメニューフォルダにショートカットを作成してくれる.違うフォルダに作成したい場合は[Browse…]をクリックして選択する.ここでは,そのまま,[Next >]をクリックする.
- [Ready to Install]窓になるので,[Install]をクリックしてインストールを始める.
- [Installing]窓になる.インストールはすぐ終わる.私の環境では2分ぐらいで終わった.
- インストールが終わると次の窓になる.[Finish]を押すと,Webotsが起動する.
デモの鑑賞
- インストールして初回はウェルカムメッセージの[Welcome to Webots R2021a]窓が開く。後で設定を変更できるので、このまま一番下の[Start Webots with the selected theme]をクリックする.
- [Guided Tour]窓が開く。ここでWebotsを紹介してくれる。ここでお勧めなのは自動ツアー。左下にAutoのチェックボックスがあるので、チェックを入れて[Next]をクリックする。そうすると63もあるデモを自動で紹介してくれる。十二分に鑑賞を楽しめます!
- トップバッターはSpot君。この後、挨拶をしますよ。
- Annimated skin:リッチなスキンをもったサラマンダーロボット。水に浮くダックを狙っているのか!?
- サッカーをするRobotis OP2。手拍子を要求。
- あの産業ロボットも登場
- この他に,DJI Drone, PR2,Create, Pioneerなど多数のロボットが登場します.
- 十分楽しんだと思うので,次は、さっそく簡単なプログラムを組んでロボットを動かしましょう!
ハンズオン
- Webotsのデモをまた鑑賞しましょう.2度目以降はメニューバーの[ヘルプ]→[Webotsガイド付きツアー…]から鑑賞できます.
レファレンス
終わり
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