ODEで学ぶC言語 [Step1:物体の描画]

step1.cppの実行画面

step1.cppの実行画面

今回は何もなかった仮想空間に物体を表示させてみましょう.ODEではいろいろな形状がサポートされています.ここではその中でも使い方が最も簡単な球を表示させます.

/* step1 球の表示 */
#include "dm1.h"

double R[12];                  // 回転行列(姿勢)の値を入れる配列
double p[3] = {0.0, 0.0, 1.0}; // 位置(x,y,z)[m]
double r = 0.2;                // 半径 [m]

void simLoop(int pause)        /***  シミュレーションループ ***/
{
  dsDrawSphere(p,R,r);         // 球の描画
}

int main()         /*** main関数 ***/
{
  dmLoop(800, 600); // シミュレーションループ(ウインドウの横,縦)
  return 0;
}

物体を3次元空間上に表示させるためには,物体の位置と姿勢を決める必要があります.ODEでは姿勢を回転行列とよばれる行列で表しています.その行列の要素を格納するのが配列R[12]です.なお,位置は要素数3個のdouble型の配列p[3]に格納しています.なお,R[12]には謎のヘッダファイルdm1.hの中で単位行列が設定されています.

位置のx座標(手前方向)を表す変数pの1番目の要素p[0]には0.0[m],y座標(右方向), z座標(高さ方向)を表すp[1], p[2]には0.0[m], 1.0[m]が設定されています.座標系は右手系です。ODEでは単位系はSI単位系を考えます.長さはm,質量はkg,力はNとなります.

ソースコードのなかほどにあるsimLoop関数にシミュレーションでやりたいことを書きます.ここでは,球を表示したいのでdsDrawSphere関数を使って,位置p,姿勢R, 半径rの球を描画しています.なお、このソースコードだけではわかりませんが、simLoop関数はdmLoop関数の中で毎回呼び出されています。

今回はこれで終わりです.また,また簡単でしたね.

  • ホームワーク1
    1. step1-090612b.zipをダウンロードし,実行してください.
    2. 球の位置と大きさを変更してみましょう.
    3. 直方体を表示させてください.次の関数を使います.
      • void dsDrawBox(const double p[3], const double R[12], const double sides[3])
      • 上は関数のプロトタイプ宣言の形式なので,呼び出すときはconst doubleなどの型名を入れてはいけません.引数が配列の場合は,サンプルプログラムのように配列名だけを入れてください.
      • 1, 2番目の引数はdsDrawSphereのときと同じです.3番目の引数は直方体のx,y,z方向のサイズ[m]が入っている要素数3個の配列です.位置を表す配列pと同じように初期化すれば大丈夫です.なお, doubleの前にあるconstは値を変えてはいけないという意味です。
    4. 円柱を表示させてください
      • void dsDrawCylinder(const double p[3], const double R[12],  float l, float r );
      • ここで,lは長さ,rは半径です.
    5. カプセルを表示させてください.
      • void dsDrawCapsule(const double p[3], const double R[12], float l,  float r );

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