第1回日韓フェスティバル(主催:日本貿易振興会、後援:経済産業省、大韓民国 産業資源部)が2001年2月16日から25日までの計10日間、韓国ソウル特別市COEX国際展示場で盛大に開催され、本学からは筆者が人工知能を搭載したロボットを使ったデモ展示を行い来場の観客を大いに楽しませた。 日韓フェスティバルは、1998年、金大中大韓民国大統領が訪日された折、小渕前総理大臣との首脳会談を踏まえて発表された日韓共同宣言の附属書「21世紀に向けた新たなパートナーシップのための行動計画」において、両国民の交流増進のために“2002年のワールドカップ・サッカー共同開催を契機として、産業・技術・物産をも対象にする展示会等を相互に相手国で開催する”という主旨により開催されることとなった。 今回は第1回目であり、日韓共通 の課題である“情報化IT・ロボット、福祉・高齢化、環境”に加え、生活・文化・物産・観光等もあわせて今日の日本を韓国に紹介するのが目的である。 会期が10日間で10万人を超え、韓国でのこの種の展示会としては来場者が多く、韓国人の日本に対する関心の高さが伺える。 会場でもっとも注目を集めたのが、情報化IT・ロボットに関する展示であった。情報化ITについては韓国も非常に進んでいるが、ヒュ-マノイドに代表されるロボット技術に関しては日本は世界で最も進んでおり、ホンダヒュ-マノイドP3の静態展示、テムザックTMSUK04のデモ展示が注目を集めた。 さらに、ロボット工学と人工知能の融合、発展のために日本が提唱した国際プロジェクトRoboCupの紹介ブースもあり、その一環としてロボカップ日本委員会から依頼を受け、筆者ならびに研究室所属のシステム設計工学専攻1年久保徳治君、人間情報工学科4年鷺森央君らが知能ロボットを使ったデモ展示を24,25日の両日計6回行い、日頃の研究成果を紹介し好評を博した。特に最終日25日は会期最高の2万人の来場者を記録し大盛況であった。 デモ内容はロボット同士によるサッカーのペナルティキック(PK)合戦、ロボットキーパーと3歳児の日本人(著者の息子)、韓国人によるロボット対人間のPK合戦などであり、デモはMC (Master of Ceremony)ナレーションのもと終始なごやかに進められた。 日韓フェスティバルの成功により、今後両国の友好関係が益々発展することを確信し帰国した。