KIT就職セミナーの帰りに、空港のラウンジで週刊東洋経済2008年10月18日特大号を読み、興味深かったので購入しました。
その雑誌は、毎年本当に強い大学総合ランキングを発表しており、2008年版ではKITの順位が19位となりました。
一昨年13位、昨年14位だったので19位と順位を下げました。この順位をどう見るかは主観によりますが、個人的には非常に良い順位だと考えます。 これはあくまで財務、教育、就職に関して点数化したものなので、評価する項目と点数化の方法を変更すれば順位も大きく変動します。
順位の話はどうでも良いのでそのくらいにして、その記事の中で驚いたことは、高等教育に対する日本の公的な支出のGDP比がOECD加盟国中、最低であるということです。OECDの平均がGDP比1.1%なのに対して日本はたったの0.5%です。それに対し、大学の授業料は米国の次に高く、奨学金を受けていない学生の比率は米国の17%に対して、75%と高いので日本の親の負担は大変なものになります。
また、地方の私立大学にあって頑張っていた高知工科大学が公立大学法人に生まれ変わる記事にも驚かされました。つまり、地方の私立大学では生き残れないので、公立化を目指すという経営判断です。なお、私立大学に限らず地方の国公立も大変なようです。2010年からは運営費交付金が配分に成果が反映される予定であり、そうなると、設備、人材、歴史等の要因から地方の国公立大学が旧帝大に勝てるわけがありません。地方の私立大学に至ってはブランド力、財政的に地方国公立大学より更に厳しい状況です。
最近の定員割れの推移を見ると各地方私立大学の努力では自然淘汰を止めることはできないと考えられます。この状況を打破するためには、公的資金をより教育に配分するなど政治力が必要です。10月16日付けのasahi.comの記事では世帯年収の1/3が教育費に消え、年収200万~400万円の世帯では半分が消えているとのことです。これでは子供は多くても二人で、私立大学なんてもっての他にならざるを得ません。少子化には歯止めがかかりませんし、地方の私立大学が定員割れするのは当然といえるでしょう。アメリカが金融機関に公的資金を投入したように、危機にある日本の高等教育を救済しなければ明るい日本は訪れないのではないでしょうか?
その他に大学四季報と称して、各大学の決算データと経営指標の掲載などもあり、大学関係者にとっては興味深い記事が多いので、週刊東洋経済の10月18日特大号は一読の価値があります。
でむ
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