前回質問を募集したところ,貴重な質問を頂きありがとうございます.初心者用のODE本の原稿を執筆しているところですが,ご質問の内容が抜けていたところもあり参考になりました.今月末の脱稿を目指していますのでまた気軽に質問してください.
さて,今回はODE(Open Dynamic Engine)講座の12回目となります.ご質問の中でインタラクティブにシミュレーションをしたいという要望が多かったのでサンプルプログラム5を作りました.ODEでは,シミュレーション中にキーボードからの入力を受付けますので,入力するキーに対応する関数などを作成するとインタラクティブなシミュレーションが可能となります.ODEもブログもインタラクティブなところが魅力の一つですね.
以下に重要な部分だけソースコードを示します.このプログラムはsample2を変更し,ボールの他に円柱オブジェクトを表示して,キーボードからの入力により外力を加えたり,シミュレーションの再スタートを可能としています.
void prepDrawStuff() {
fn.version = DS_VERSION;
fn.start = &start;
fn.step = &simLoop;
fn.command = &command; // キー入力で呼び出される関数のアドレス
fn.stop = NULL;
fn.path_to_textures = “../../drawstuff/textures”;
}
//キー入力で呼び出される関数
void command(int cmd)
{
switch (cmd) {
case ‘s’: dBodyAddForce(pillar.body,50, 0, 0);break;
case ‘j’: dBodyAddForce(ball.body ,0,-10, 0);break;
case ‘k’: dBodyAddForce(ball.body ,0, 0,50);break;
case ‘l’: dBodyAddForce(ball.body ,0, 10, 0);break;
case ‘r’:restart() ;break;
}
}
// シミュレーションを再スタート
void restart()
{
// 破壊だー
dJointGroupDestroy(contactgroup); // 接触点のグループを破壊
destroyBall(); // ボールを破壊
destroyCylinder(); // 円柱を破壊
// 生成
contactgroup = dJointGroupCreate(0); //接触点グループの生成
createBall(); // ボールの生成
createPillar(); // 円柱の生成
}
// ボールを破壊する
void destroyBall() {
dBodyDestroy(ball.body);
dGeomDestroy(ball.geom);
}
void destroyCylinder() {
dBodyDestroy(pillar.body);
dGeomDestroy(pillar.geom);
}
static void simLoop (int pause)
{
// キーボードからcontrolキーを押しながらpキーを押すと
// シミュレーションが一時停止する
if (!pause) {
dSpaceCollide(space,0,&nearCallback);
dWorldStep(world,0.01);
dJointGroupEmpty(contactgroup);
}
drawObject(ball.geom,1.3,0,0);
drawObject(pillar.geom,0,0,1.3);
}
ソースコードはここにありますのでダウンロードして実行してください.
キーボードのs, j ,k, lキーを押すと円柱やボールに外力が働き,rキーを押すとシミュレーションがリスタートし,コントロールキーを押しながらpキーを押すと一時停止します.お試しあれ.
最近は政治の世界でも(党議)拘束がかかるようなので,次回は拘束についてお話したいと思います.
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