夢考房ロボカッププロジェクトとは?

発足の経緯
人間情報工学科出村研究室でロボカップジャパンオープン99(名古屋)に参加しようと研究室の学生を口説き落とし工学設計Ⅲ(他大学の卒研に相当する)のテーマにしたのが始まりです。そのうち、どこから聞きつけたがわかりませんが、本学機械 工学科3年五十嵐広希君、機械システム工学科3年石原大稔君の2名がプロジェクトに加わりました。当時私の研究室ではメカトロニクスに関する技術がなかったので、彼らの 協力によりジャパンオープンに参加することができましたが、結果は惨憺たるものでした。このままでは終われないということで自費覚悟でロボカップ世界大会(ストックホルム)に参加することに決めました。いろいろありましたが、大学当局の好意により99年6月に夢考房のプロジェクトとして認められ世界大会に無事参加することができたのです。そのときのチーム名は私が所属している人間情報システム研究所所在地のMatto(松任市)で、参加メンバーも皆、私の研究室の学生でした (前述の2名も学科間協力で出村研所属)。99年9月からはプロジェクトが夢考房に移管され、指導責任者として私、運営責任者として浅野技師が担当となり、 他の夢考房プロジェクトと同じように学生主導型のプロジェクトに生まれ変わり今日に至っています。

チーム名の由来
学生たちが決めたもので、Win(勝利) + KIT(金沢工業大学)、WinK(ウインクする) + KIT(金沢工業大学)の2つの意味をかけています。

主な成績(中型ロボットリーグ)

  • RoboCup Japan Open 2000 函館:4位
  • RoboCup2002 Fukuoka/Busan: 準優勝
  • RoboCup Japan Open 2003 新潟: 優勝
  • RoboCup2003 Padova: 準優勝
  • RoboCup Japan Open 2004 大阪: 準優勝
  • RoboCup2004 Lisbon: 準優勝

  • 強さの秘密
    本学独自の教育システム夢考房によるところが大きいと考えます。このシステムにより私たちのプロジェクトは機械系、情報系、人間系の学生並びに下は1年生から上は大学院生までの広い人材を集めることが可能となっています。さらにプロジェクトの運営が実質的に学生にまかされているため、学生は本当に熱心に活動しています。なお、今まで20台以上のロボットを開発してきているので少しずつですがノウハウが蓄積されています。ロボカップの中型ロボットリーグでは今の所これといった市販のロボットがないので、モノを作れるチームが断然有利になっています。

    強さの秘密2
    小型リーグや4脚リーグでは何と学部生チームがチャンピオンです。いろいろ関係者に話を聞くとその謎がわかってきます。答えはごくごく平凡なもので、「強いチームはロボカップに取り組んでいる時間が多い」ただそれだけです。もちろん、時間をかけるだけではなく競争原理を取り入れるなど効率化はしています。逆にいうと、学部生チーム以外は研究をしなければいけないので、研究には関係ないが勝つために必要な諸々の作業に時間を避けないのです(企業チームが本格的に参戦すると話は変わってきます。Muratecが近いうちに優勝するでしょう。)。ところが学部生チームの場合は、研究にはならないかもしれませんが、社会に出て必要な泥臭く地道な作業が学生の能力を高めるのです。ロボカップの教育効果は相当なものです。

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