早期に子供たちへ科学技術教育を
本プロジェクトが目指しているのは、10 ~ 20年後に科学技術の分野でイノベーション(技術革新)を生み出し、世界で活躍する人材を本学近郊地域から輩出することです。次世代を担う子供たちに、科学技術教育、人間力教育の場となる創造的活動の場を提供し、科学技術に対する関心や才能の芽を育てていきたいと考えています。
近年、中国、韓国、シンガポールなどでは、コンピュータやインターネットに代表される情報通信技術分野で、子供への教育に力を注いでいます。この傾向は、アメリカやイギリスでも同様で、特にプログラミングの習得は、言語理解に柔軟性のある中学生までに始めるのが望ましいとされていることとも関係しています。日本が科学技術で諸外国に遅れをとったり、地域社会が国際競争から取り残されたりしないようにするためにも、小・中・高校生らが情報通信技術とロボット技術を学び、創造に取り組む場が必要です。
国内外のコンテストへの参加も計画
本プロジェクトは、金沢工業大学が課外の実践的な学びの場としている「夢考房」のジュニア版をイメージしています。夢考房は、工作機械や電子回路のプリント基板製作装置、パーツショップなどを整えた実験工房で、ここでは、ものづくりの面白さや知識を応用することの楽しさを感じてもらえるよう、「遊びから創造へ」をテーマに学生の自主的創造活動を支援しています。
本プロジェクトでは、夢考房の教育スタイルを踏まえ、学生が指導役となって子供たちにロボットやプログラミングなどの科学技術を教えます。基本はグループ学習で、小中高生が年齢を超えて、ともに学びながら創作活動に取り組みます。
計画では、子供たちの意欲を高めるため、国内のロボットコンテストや情報オリンピック、JST(科学技術振興機構)による国際科学技術支援コンテストへの出場を目指します。さらに、米国版ロボコンなどの世界大会へも参加し、国際感覚を養い、英語の必要性を実感する機会も提供する予定です。ロボットやプログラミングなどの科学技術に関心を持つ学校や団体、企業に対して、要望に応じて講演や体験教室なども開催します。
本プロジェクトの参加教員は、既に地元の高校やNPO 法人などで講演、体験教室の開催、教育助言といった多くの地域支援の実績を有しており、こうした経験も「夢考房ジュニア」に生かしていく考えです。お子様のご参加をお待ちしております。
——-
夢考房ジュニアは、KITが「地域志向『教育改革』による人材育成イノベーションの実践」(文部科学省平成25年度「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」に採択)として平成26年度に立ち上げた17プロジェクトの一つです。
上記の文章はこの文章(PDF)と同じです。なお、写真は夢考房ジュニアの活動時に撮影したものです。