金沢にはあまり大型書店がないので、都会に行くと大型書店で理工学関係の専門書を立ち読みすることをささやかな楽しみにしている。広島のジュンク堂でプログラミング関係の本を読んでいたら絶対お勧めの本を発見。
- 平山尚著、ゲームプログラマになる前に覚えておきたい技術、秀和システム
対象はC++の基本を知っており、ゲームプログラミングについて学びたい方だが、ロボットプログラマも大変参考になる。ロボカップやつくばチャレンジのような自律ロボットではプログラミングが大規模になり生産性を上げるためにはどうしてもC++を使わざるを得ない。筆者はセガのゲームプログラマだけあり実践的なテクニックを紹介している。
本書が良いのは分厚いことだ。約850ページある。つねづね、日本の理工系書籍は海外の書籍と比べて薄っぺらいことに不満を持っていた。これは多分に出版社の意向によるものだ。拙著ODE本も当初は300ページぐらいあったが採算が合わないなどの理由でダイエットした。
分厚いことが何故良いかといえば、詳しく説明できるからだ。筆者は上記本中で「日本で必要なのは内容が薄くて分厚い本だと私は考えている。雑談の合間に必要なことが書いてあるくらいの密度の薄さでないと、1ページ進むのに三日かかる、というような事になりかねない。やる気にある人のための本の書き方と、やる気のない人のための本の書き方は違うのである。」と語っている。
全くそのとおりだ。demura.netを読んでくださるようなやる気のある人と、何のために大学に入ったかわからない人にやる気を出させる授業では教え方が全く違わざるを得ない。
というわけで、私も数年前からプログラミングの講義でODEを使いゲームやシミュレータを作ってもらっている。まとめて本にしょう!
でむ
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