つくばチャレンジ09を完走した中でユニークな走行とは

ロボコンマガジン2010年第5号が発売になり私の手許にも届いた。ロボコンマガジンは私もかつてODE関連の記事を連載したことがあり、とっても良い本だ。編集長も気さくで行動的な方でロボカップや学会などいろいろなところでお目にかかる。

さて、ロボコンマガジンの良いところは、ロボット製作やロボットコンテスト話題以外にも、日本ロボット学会との共同企画による連載があったり、大学の名物研究室紹介などがある。中学、高校、大学、一般まで幅広い読者を対象としている。

その中で、「つくばチャレンジ完走ロボットERIEのヒミツ」という記事があり、これは面白いので紹介しよう。つくばチャレンジを完走したチームは昨年5つあり、多くのチームは予め正確な地図を持っていて、レーザスキャナを使いロボットの周囲の2次元あるいは3次元の距離情報を取得し、その情報と地図とを比較して自己位置を推定している。ほとんどのチームはレーザスキャナの情報だけではなく、車輪についているロータリーエンコーダやロボットの向きを知るためにジャイロの情報と組み合わせて正確な自己位置を推定している。

ところが、宇都宮大学尾崎先生の研究室では、レーザスキャナを使わずに地磁気センサを使い、正確な地図ではなく環境にある磁場の地図を作成して、それを元に自己位置を推定しているのだ。昨年、KITのロボカップチームはロボットの姿勢に地磁気センサを使っていたが、世界大会で競技場床に高圧電線が走っているためその付近では影響を受け満足に動けない状態に陥った。地磁気センサにとって高圧電線など地磁気を乱すノイズはやっかいものだ。

尾崎研究室では発想を逆転し、そのような地磁気を乱すノイズを積極的に利用して自己位置を推定している。ナビゲーションではこの手法はユニークだが、磁場発生源の推定はいろいろなところで既に実用化されている。例えば、潜水艦を発見する場合、最近流行の脳科学では脳磁計という装置があり、これを使うとミニ秒のオーダーで脳の活動部位を推定できる。ちなみに、KITの先端電子技術研究所ではこの装置を開発している。

尾崎研のように逆転の発想、あるいは他分野でやられている手法をロボットに持ってくるとユニークな研究ができる。つくばチャレンジはまだ歴史も浅くユニークな方法があり面白い。今年はどんなユニークな発想で各チームが取り組んでくるか楽しみだ。

でむ

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