RoboCup2010: 総括日本のポジションは?

ヒューマノイドリーグ・キッズサイズ3on3準決勝 CIT Brains (日本、水色)vs Fumanoid (ドイツ、紫)

ロボット達によるもう一つのワールドカップRoboCup2010が6月25日に閉幕し、先週の土曜日にシンガポールから帰国しました。このサイトではヒューマノイドリーグに関して結果を連絡してきました。さて、RoboCupは人工知能並びに知能ロボティクスの分野で日本人研究者が提唱した画期的なプロジェクトです。サッカーの母国がイギリスのように、RoboCupは日本が母国で、RoboCupのアテネは名古屋なのです。今年のロボカップで日本勢の活躍はどうだったのでしょうか?

3位以内の日本チームをピックアップしました。優勝はシミュレーションリーグ2DのHelios2010(産総研)と@ホームのeR@sers(玉川大、電通大、ATR,NICT)の2チームだけでした。優勝こそは逃しましたが千葉工大チームの健闘も光ります。

ロボカップも今ではサッカーだけではなく、レスキュー、@ホーム、ジュニアなどに別れ、さらにリーグ、サブリーグなどがあり、私も全貌を把握していません。全部合わせると20~30はあるんでないでしょうか?オリンピックに近づきつつある印象を受けます。

その中で優勝した日本チームが2チームだけとは寂しすぎます。日本が寂しい分、他のアジア勢の健闘が目立ちます。一番はやはり中国です。サッカーシミュレーションリーグ3D優勝、中型ロボットリーグ優勝、レスキューシミュレーションリーグ・バーチャルロボット優勝、次にタイも注目です。サッカー小型ロボットリーグ優勝、レスキュー実機リーグ優勝、準優勝。なんでも、タイ国内にレスキューリーグのチームが130もあるそうです。

うかうかしていると、ロボカップで育った若者が社会で活躍する頃は、ロボット技術でも日本は東南アジアの諸国に遅れをとっているかもしれません。我々も正に頑張らねばなりませんが、日本チームはもっと力を合わせて全体のレベルアップを計り、来年こそは日本の力を世界に知らしめましょう。

でむ

  • シミュレーションリーグ
    • 2D 優勝 Helios 2010  (産総研)
  • ヒューマノイドリーグ
    • キッズサイズ 3on3  3位 CIT Brains (千葉工大等)
    • ティーンサイズ 2on2 準優勝 CIT Brains(千葉工大等)
  • @ホーム
    • 勝 eR@sers (玉川大、電通大、ATR, NICT)

コメント

  1. KADOTA より:

    こんにちは。ロボカップお疲れさまでした。
    「タイ国内にレスキューリーグのチームが130もあるそうです。」…すごいですね、この数は。
    日本ではロボットは一見、盛んなように見えますが、まだまだ実際にロボット製作に取り組む人の数は少ないように思います。この間、ロボカップジュニアに少し関わって、いろいろ見てきましたが、小学生はとても熱心に取り組んでいますが、ほとんどがロボット教室のようなところで学んでおり、学校でロボットを学ぶことはほとんどないように思います。中学校もそうですが、特に優秀な高校はほとんどが普通科高校に進学して、ものづくりをほとんどしない期間を過ごすことが残念でなりません。今後、日本がロボカップでますます活躍するための課題だと思います。

    • demu より:

      KADOTAさん、

      コメントありがとうございます。
      KADOTAさんの御指摘のとおりだと思います。

      ものづくりをすることが大学受験や自分の将来にプラスになるような仕掛けを作らないと進学校に取り入れてもらうことが難しく、工業高校や一部の高校だけが取り組む閉じた世界になってしまいますね。

      また、小、中学校の場合は指導できる人材が少ないことも問題だと思います。RoboCupに参加して、アジア諸国の躍進を見ていると危機感を覚えます。

      でむ

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