吉田酒造:白龍

中村酒造:白龍

吉田酒造

外国人と話をすると日本文化についてよく聞かれます。日本文化を知るために福井にある吉田酒造の「初呑み切り」という伝統的な行事に参加しました。

初呑み切りは、酒造にとって大切な行事です。冬に仕込んだ原酒は約1年寝かせ翌年の秋に出荷するわけですが、その前に熟成具合をチェックするのです。杜氏にとっては、この出来が良いか悪いかで収入が大きく変わる運命の日でもあります。

今回お邪魔したのは福井県にある吉田酒造です。吉田酒造は1803年に創立された伝統のある酒造です。福井では黒龍といううブランドが圧倒的に知名度があり、私もそのファンの一人です(福井大学の先生ありがとう)。白龍というブランドを知ったのはKITの近くにリカードゥという酒屋さんがあり、そこの白龍「修」というお酒がリーズナブルでとても個性的だったので気になり、その酒造に興味を持ちました。今回の初呑み切りの行事はリカードゥさんのツアーの一環です。ただお酒を売るだけではなくこのようなイベントを企画することはお酒好きにとっては非常に評価できます。もちろん、酒造までの往復はリカードゥさんがチャーターしたバスなので飲酒運転の心配はありません。

山田錦

吉田酒造自慢の完全熟成堆肥で育てた山田錦(食するには不味いそうです)

さて、初の呑み切り儀式に参加する前に、酒造を見学させてもらいました。1升ビンで1年間に約1万本しか出荷しない小さな酒造さんなのでタンクも小さかったですが、この酒造さんは品質にこだわっており、自家製田で山田錦を栽培しています。しかも、化学肥料を使わず自然農法でお米を育てているのです。多少高くても安心して呑めます。吉田酒造の蔵元は商売っ気のない職人気質の方で好感が持てました。

初呑み切り

初の呑み切りした9種のお酒

初の呑み切では、吉田酒造が誇る9種の日本酒をテースティングするわけですが、私のような日本酒愛好家にとっては、テースティングのために口に含んだお酒を吐き出すことはできず、喉を潤しました。どのお酒も美味でしたが、私が好きなものは常用酒としている「回顧酒 旭泉(1800ml, 2000円、リカードゥでは修)」と本店とリカードゥでしか販売していない「白酔(1800ml, 2500円インターネットで購入不可)」というお酒です。旭泉は江戸時代のお酒を復元するというコンセプトで造られたものです。江戸時代は精米技術が今のように進んでおらず、約85%程度しか精米していないと考えれています(ちなみに現在の大吟醸は40%、つまり60%は捨てます)。スッキリ感はありませんが、コクがありとても美味です。しかも、火入れをしていない生酒なのでビン内熟成します。ロックにするとキリットして、燗にすると重厚な味わいになります。白酔は白酔会という中村酒造の愛好会がブレンドしたお酒です。こちらは、旭泉(修)と違い現代のテクノロジーにより造られたお酒です。どちらもリーズナブルなうえに美味しいので多くの方にお勧めできます。

成人で日本酒をお好きな方は騙されてと思って試されてはいかがでしょうか。amazonでは取り扱っていませんが、以下の吉田酒造さんのサイトから購入できます。日本人で良かったと思うかもしれませんよ。

参考サイト

  1. 吉田酒造
  2. 日本海酒造:リカードゥ

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