3education: 2003年10月アーカイブ
私は週2回MITで英語の授業High-Intermediate Spoken and Written Communication)を受けているのでMITのESL(English Second Language)について紹介します。今までいくつかのESLの授業を受けてきましたが学校やコースによって全く教え方が違っていました(恐らく同じ学校で同じコースでも先生によって教え方が違うと思います)。私が受けているコースの先生は韓国人で18歳のときアメリカにわたってきた人ですが英語は当然ネイティブのようです。カルフォルニア大学バークレー校の言語学のPh.dを持っています。彼は18歳でアメリカに来たときは英語は十分に話させなかったそうですが苦労して英語を身につけたので、彼の教える内容は日本人にはとても参考になることばかりです。細かい内容についてはここでは紹介しませんが、英語の勉強方法について紹介しますので参考にしてください。
以下の2つを実行するとリスニングについては半年ほど、ライティングについては数年で驚くほど上達するそうです。私も9月に授業を受けたばかりなので効果はまだあまりありませんが試しています(4ヶ月たった今、リスニングは少し上達したように思えますが、ライティングは変わりありません)。
1.リスニング上達法:聞き取れるようになるまではとにかく毎日長時間英語を聞き続け脳に英語の音を識別できる神経回路を作ることが必要。そのためには作業をやりながら聞くことのできるラジオ放送はとても有効。MITのESLでは以下のラジオ放送を毎日聴くことを推奨していました(携帯用ラジオをポケットに入れ暇さえあれば聞く。)。
WBUR (Boston's National Public Radio) FM90.0: 左のウェッブサイトに行き左上のListen Liveボタンをクリックするとインターネットで聞くことができます。
WRKO (The Talk Station) AM680:インターネットでは聞けません。
2. ライティング上達法:The New York Times (The Boston Blobeでも良いと思いますよ。)のEditorials (社説)を毎日精読(特にWriting Techniqueに注意)する(所要時間15分程度)。
http://www.nytimes.com
1.のWBURはアメリカの国営放送です。BBCのワールドニュースも時間帯によっては放送されます。HarvardやMITの教授がときどき出てきて最先端の経済や科学の話があります。昨年の12月は現代言語学の祖であり政治活動家チョムスキー MIT教授のインタビューがあり、アメリカ政府の政策を厳しく批判していました。WBURは国営放送ですがこのように論調は中立的です。
Harvard Extension SchoolのESLでもいわれましたが英語は急には上達しません。留学した人からよく聞く話は、「半年でリスニングはできるようになり、1年目が過ぎたころからなんとか話せるようになった。」ということです。毎日コツコツやるしかありません。

ボストンにきてから半年経ったが英語が一向に上達しないので評判の高いHarvard Extension School のESL (English for Second Language:英語コース)を受講することにしました。これはハーバード大学が社会人向けに開講しているもので、パートタイムで自分に興味のあるコースを受講できます。社会人が自分のスキルアップに数コース受講するケースが多いようです。アメリカは社会人の勉強が盛んで、Harvard Extension Schoolだけでも年間1万3千人の受講者があるとのことです。講義の多くは夕方から夜にかけてハーバード大学の校舎で行われまるので、あこがれのHarvard Yardで授業を受けるチャンスです。
私はその中でも職業がら必要なAcademic Writingのコースを受講しました。ESLにはIntegrated Skill (Level A-E), Specialized Classes (Level C-D), Seminar and Workshops (Level E)のコースがあり、Academic Writingはその中のSpecialized Classesの一つです。コースを選択するためには前もってPlacement Testを受けて所定の点数をクリアする必要があります。このPlacement Testは春学期、秋学期が始まる前の所定日に受けなければいけないのでホームページ等で受験日を確認することが必要です。
試験はTOEFLとほとんど同じ形式ですがEssayはありません。受験時間は2時間半ほどで、レベルは私が受験したところTOEFLより難しいと感じました。テストの結果で5段階に分類されます。点数は100点満点で、0から30点までがAレベル、31点から45点がBレベル、46点から60点がCレベル、61点から75点がDレベル、それ以上がEレベルだと予想しています(違うかもしれません)。Academic Writingを受講するためにはCレベル以上の点数を取らなければなりませんが、なんとかDレベルになったので受講することができました。
クラスは予想していたとおりにハードです。Writingは時間がかかるので、Essayを書く作業は宿題となっていて、授業では数グループに別れ他人のEssayを読み意見を述べたり、そのことについてグループでディスカッションをしたりします。もちろん、先生は添削してくれますが、生徒同士でディスカッションする時間が非常に多くなっています。文法的な細かいことは宿題となり、授業では技術的な細かいことよりもAcademicな文章を書く基本に重点が置かれています。
受講者は10人ぐらいで、南米(ブラジル、ベネズエラ)4名、日本人4名、韓国人1名、中国人1名といった顔ぶれで、在米7年、中には10年以上もいる方もおり、私以外、皆さん英語はペラペラです。それでも面白いことにペラペラな人でも文章を書かせるとそれほどでもない人もいます。話す英語と書く英語は全然違うということを再認識したしだいです。
MITの学生達がロボットによるサッカー競技会がBoston Museum of Scienceで開催されるというので8月22日に観戦してきました。これはMIT Mechanical Engineering Departmentのフレッシュマン教育のために毎年開催されているものです。希望者は夏休みの1週間を使ってロボットを作り公開の競技会で順位を競います。今年は遠隔操作ロボットによるサッカー競技で8チームでトーナメントを行いました。ロボカップのように自律移動でなかったことは残念でしたがフレッシュマンを対象としてしかも準備期間が1週間ほどなのでこの遠隔操作のロボットを製作するだけでもとても難しいと思います。そのためMentorと呼ばれる上級生がロボットを設計して、部品や材料などをあらかじめ集めておき、フレッシュマンは材料などを加工してそれを組み立て動作を調整するのが実習の内容です。
さて、試合の盛り上がりですが、ロボカップのように参加者も観客者もロボットの動きに一喜一憂して大変楽しい雰囲気の中で試合が進行されていました。試合をMITの学内でやるのではなく、多くの科学好きな子供たちの集まるBoston Museum of ScienceでやるあたりがさすがMITは宣伝がうまいなと関心しました。
ちなみにパンフレットによるとMITのMechanical Engineering Departmentは教員、スタッフが約60名、学部生が300名程度。U.S. News and World Reportでアメリカの大学のトップに過去何年も選ばれているとのことです。
いうまでもありませんがインターネットはとても便利です。特に勉強や研究をするためにはもはやその存在はかかすことができません。ここで紹介するものは、インターネットで海外大学の授業を受講できるというサイトです。いろいろあると思いますがその中でMITのOpen Course Wareを紹介します。
http://ocw.mit.edu/index.html
の中に何と500のコースが開講されています。その中でもここの線形代数はお勧めです。
これはなんと授業のビデオを見ることができます。英語の勉強にも良いのではないでしょうか?大学の授業で使用されている線形代数の教科書の多くは幾何学的なイメージがつかみずらく、さのうえ、線形代数を将来どこで使うようになるか書いていません。さらに最悪なのは定義と証明だけで、その意味がよく書かれていませんので数ページ読むと眠くなってしまいます。
その点、ストラング教授の本 「線形代数とその応用」、ストラング著、山口訳ISBN4-7828-0502-0 産業図書は非常にわかりやすく、私はこの本のおかげで線形代数の意味を理解できるようになりました。この教授の授業をインターネットでしかも無料で聞けるようになったのですから今の世の中は便利になったものです。
先日、ロボット学会である方と雑談したとき、偶然にMIT Open Course Wareの話が出てストラング教授の話をされていましたので驚きました。しかも、「僕はロボットでは線形代数が一番基礎で重要だと思う。」と話されているのを聞き思いを同じにした次第です。
