ポジティブ心理学

池の平研修:現在の幸せ

1月17日~19日の間、新潟県妙高高原池の平にあるセミナーハウスで学生と研修をしています。今朝、講話をしたのでその原稿をここに紹介します。原稿なので話した内容と一部違い、一般向けにも表現を変えています。

でむ


今日はこの、タル・ベン・シャハ―の著書HAPPIERで紹介されているポジティブ心理学についてお話しします。この本の続編である「ハーバードの人生を変える授業」は日本で既に発刊5万部を超えています。

卒業研究発表や修士公聴会もあと一か月と迫り、追い込みの時期だと思います。私の研究室でも、昨日、卒業論文や修士論文を提出してもらいコメントを付けて返却しました。日頃から良く活動していることを知っていますが、論文としては明らかに悪い点がありました。それは何だと思いますか?

研究の目的が明確に書かれていないことです。もちろん、ただ書かれていないだけで、本人は目的をしっかり持って研究をしています。目的を持つことは最も重要なことだと思います。

では、もっと身近な問題、皆さんの人生の目的は何ですか?と聞かれると今まで良く考えてこなかった方もいるのではないでしょうか。この本で紹されているポジティブ心理学では「人生の目的を幸せの実現」としています。

ポジティブ心理学は1998年にセリグマンによって作られた新しい心理学です。今までの心理学が心の病を主に扱い、カウンセリングなどに応用していたのに対し、ポジティブ心理学は心の健康、言葉を変えると、幸せになる方法を科学的に追求する新しい学問です。2002年からアメリカ各地の大学でポジティブ心理学の講義が開始され始め、2006年には、この本の著者であるタル・ベン・シャハ―のハーバード大学での講義では受講者が1400人と最も人気のある講義になり、CNN, CBS, ニューヨークタイムズ紙など一流メディアで取り上げられ一躍有名になりました。

彼は幸せを「喜びと意義の同時体験」と定義しています。喜びは現在の利益、意義は未来の利益ことで、将来の目標や活動に意義を見出します。

彼は幸せになる6つのヒントをボストングローブ紙で提唱していますので紹介します(注1)。

1.自分の感情を素直に受け入れる。

2.自分にとって重要で意義があり、しかも楽しめる活動に従事する。

3.幸せは社会的地位や銀行の預金残高ではなく、心の状態に依存することを忘れない。

4.生活をシンプルにする。日本では最近、断捨離が話題になっています。これは、禅宗の教えに基づいたもので、不要な物を捨てることにより、物質的な物に執着せず、シンプルで精神的に豊かな生活を過ごすという考え方です。

5.心と体の調和を心がける。勉強ばかりではなく、この研修ではスキーやスノーボードなどの運動を健康維持に努めましょう。

6.可能な限り感謝の意を表す。

このヒントは、必ずしもポジティブ心理学で確立された方法ではなく、科学的に証明された方法ではないと思います。しかし、今まで科学では踏み込まず、宗教の対象であった幸福を科学的に研究する試みです。さらに、最近では脳科学の研究が進み、いままで研究対象でなかった、感情や意志決定なども科学的に研究される時代になっています。

我々は、常に勉強し、そのような最新の科学的知見に基づいて生活を送ればより幸せな人生を歩むことができるかもしれません。正に、知は力なりです。

これで朝の講話を終わります。熱心にきいてくださり、ありがとうございました。


注1:この6つのヒントはタル・ベン・シャハ―の著書「HAPPIER 幸福も成功も手にするシークレット・メソッド」坂本貢一訳の訳者あとがきから知りました。講話中での引用なので正確に訳しておらず、自分なりの解釈も付け加えています。是非、ボストングローブの元の記事”Harvard’s crowded course to happiness“をご覧ください。

参考文献

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